Josh Ye
[香港 22日 ロイター] - 中国では生成人工知能(AI)の熱狂的な流行を背景に、新興企業から大手情報技術(IT)企業に至る多様な業者がほぼ連日、生成AIに関する新商品を発表している。だが投資家は、熾烈な競争により収益が圧迫されるため、淘汰は必至だと警鐘を鳴らしている。
中国の生成AIブームは約1年前、オープンAIの対話型AI「チャットGPT」の成功に触発され、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)や百度(バイドゥ)、アリババグループといった大手が相次いで自社商品を発表。テンセントの幹部は今月、生成AIが「百種類ものモデルによる戦争」になっていると述べた。
CLSAによると、中国では現在存在する大規模言語モデル(LLM)が少なくとも130あり、世界全体の40%を占め、シェアは米国の50%に迫っている。
だが投資家やアナリストは、大半の企業は存続可能なビジネスモデルをまだ見いだしていない上、互いの商品があまりにも似通っており、今は費用の急騰と格闘している、と話す。
米中関係の緊迫化も、このセクターを圧迫。初期段階にあるプロジェクトに対するドル建て投資は減り、エヌビディアなどが生産するAI用半導体の入手が困難になっていることが影響し始めている。
マッコーリー・グループの中国インターネット・デジタル調査責任者、エスメ・パウ氏は「最も強い能力を持った業者のみが生き残るだろう」と述べた。
同氏は、各社が顧客の獲得を競う中で再編と価格戦争が起きると予想。「向こう6─12カ月にわたり、半導体の制約や高いコスト、激化する競争により、能力が劣るLLMは徐々に排除されるだろう」と語った。