Ritsuko Shimizu Shinichi Uchida
[東京 1日 ロイター] - あおぞら銀行は1日、2024年3月期の連結業績予想を下方修正し、純損益予想を従来の240億円の黒字から280億円の赤字に見直すと発表した。米国オフィス向け不動産融資で追加引き当てを行うほか、外国債券などの有価証券について売却処理を進め、下期410億円の損失を計上する。最終赤字となるのは、2009年3月期以来のこと。第3・四半期と期末配当予想は無配とする。
米国オフィス向け不動産ノンリコースローン案件を全て精査、今後2年間の価格下落リスクを勘案し324億円の引当金繰入を計上した。この結果、昨年12月末時点の米国オフィス向け不動産ノンリコースローンに対する引当率は18.8%となり「今後損失が発生するリスクを最小化させた」としている。
また、米国金利上昇の影響を受けて評価損を抱えた外貨ETFなどの売却処理も実施。第3四半期に111億円、第4四半期に298億円の損失を計上する見込み。
この結果、有価証券評価損益は、昨年9月末の926億円の損失が12月末に815億円の損失となり、今年3月末には560億円の損失に改善する見込みだとしている。
3月末の連結自己資本比率(国内基準)は8.8%、財務の健全性を示すCET1比率は6.6%程度となり、目標水準の9%、7%を下回る。
25年3月期については、連結粗利益が850億円程度(今期予想は510億円)、純損益は170億円程度の黒字(同280億円の赤字)を計画。期末の有価証券評価損は490億円程度を見込んでいる。配当については、今期の年間配当76円からの増配を目指すとしている。
同社はまた、谷川啓社長が退任し、大見秀人副社長が4月1日付で社長に昇格する人事も発表した。