3月16日にフィスコIRが開催した個人投資家向けセミナー「大荒れの新年度日本株相場をフィスコアナリストが読み解く!」では、「波乱相場で注目するテーマと個別株」と題して、アナリストの佐藤勝己が、荒れる申年相場で注目するテーマと個別銘柄を紹介した。
主な内容は以下の通り。
■波乱相場ではバリュエーションが重要 4月相場はやや調整含みと考える。
年度末通過後は年金資金の流入期待が後退すると見られること、4月末からの決算発表に向けてはガイダンスリスクが強く意識されることなどが背景。
こうしたなかでは、下値抵抗力の強い銘柄へ関心を傾けることが必要であり、バリュエーションが重要になってくる。
■マイナス金利下でキャッシュリッチ銘柄に注目 今回の日銀マイナス金利導入でキャッシュリッチ銘柄に注目したい。
通常は、有利子負債の多い銘柄などが優位となってくる状況だが、あえて、キャッシュリッチ企業の意識変化に期待したいところ。
自社株買い・増配など株主還元策の拡充、M&Aの増加(M&A向けに銀行の貸出増加の可能性)などを期待する。
自社株買い・増配など株主還元策の拡充で注目するのは大和冷機 (T:6459)。
ネットキャッシュ/時価総額が50%以上、外国人持ち株比率20%以上、配当性向20%未満の東証1部上場企業は大和冷機1社である。
過去にはストラテジックキャピタルが株主提案を実施したこともある。
■M&A増加でEV/EBITDAが低水準の銘柄に関心 M&Aの増加で注目するのはEV/EBITDA倍率の低い銘柄。
EV/EBITDA倍率とは簡易買収倍率とも呼ばれ、企業を買収して元が取れるまで何年かかるかを測る指標。
EVは時価総額-(現預金-有利子負債)、EBITDAは営業利益+減価償却費となる。
EV/EBITDA倍率1倍未満、PER20倍未満、PBR1倍未満、配当利回り2%以上、今・来期が黒字、東証1部上場は、三井ホーム (T:1868)、アグロカネショウ (T:4955)、名村造船 (T:7014)、カナデン (T:8081)などとなる。
なお、こうした銘柄のスクリーニングはFISCOアプリで可能となっている。
■短期的には建設株の上方修正に期待 短期的な観点からは、今期業績の上方修正期待で建設株に注目したい。
建設株の収益は第4四半期のウェイトが大きく、コンセンサス以上の上方修正の余地もあると考える。
例えば、大林組 (T:1802)は、過去4期間でみて、1-3月期の営業利益のウェイトが48.5%に達している。
今期予想の前提はわずかに7.4%である。
大手ゼネコンのなかでの注目銘柄は大林組 (T:1802)、業績上振れ余地が相対的に大きいほか、粗利益率の相対的に高い土木事業の受注が堅調なことが挙げられる。
4-12月期の土木受注高がプラスとなっているのは、大手ゼネコンで大林組のみである。
また、中小型建設株の注目銘柄だが、こちらも、来期以降の業績に影響する受注が好調な銘柄に絞りたい。
森組 {{|0:}}は、第3四半期累計受注高が前年同期比7.6%増、通期受注計画は上方修正している。
今期業績は2度の上方修正で復配も発表、かつ、第3四半期累計進捗率は95%に達している。
ほか、淺沼組 (T:1852)にも注目。
第3四半期累計受注高は前年同期比1.5%増、とりわけ、採算のよいと見られる土木工事が同36.9%増と大きく伸長。
今期は上半期決算前に大幅上方修正しているが、第3四半期累計進捗率は93%に達している。
(アナリスト 佐藤勝己) フィスコ個人投資家向けセミナー 「大荒れの新年度日本株相場をフィスコアナリストが読み解く!」 セミナー資料より抜粋
主な内容は以下の通り。
■波乱相場ではバリュエーションが重要 4月相場はやや調整含みと考える。
年度末通過後は年金資金の流入期待が後退すると見られること、4月末からの決算発表に向けてはガイダンスリスクが強く意識されることなどが背景。
こうしたなかでは、下値抵抗力の強い銘柄へ関心を傾けることが必要であり、バリュエーションが重要になってくる。
■マイナス金利下でキャッシュリッチ銘柄に注目 今回の日銀マイナス金利導入でキャッシュリッチ銘柄に注目したい。
通常は、有利子負債の多い銘柄などが優位となってくる状況だが、あえて、キャッシュリッチ企業の意識変化に期待したいところ。
自社株買い・増配など株主還元策の拡充、M&Aの増加(M&A向けに銀行の貸出増加の可能性)などを期待する。
自社株買い・増配など株主還元策の拡充で注目するのは大和冷機 (T:6459)。
ネットキャッシュ/時価総額が50%以上、外国人持ち株比率20%以上、配当性向20%未満の東証1部上場企業は大和冷機1社である。
過去にはストラテジックキャピタルが株主提案を実施したこともある。
■M&A増加でEV/EBITDAが低水準の銘柄に関心 M&Aの増加で注目するのはEV/EBITDA倍率の低い銘柄。
EV/EBITDA倍率とは簡易買収倍率とも呼ばれ、企業を買収して元が取れるまで何年かかるかを測る指標。
EVは時価総額-(現預金-有利子負債)、EBITDAは営業利益+減価償却費となる。
EV/EBITDA倍率1倍未満、PER20倍未満、PBR1倍未満、配当利回り2%以上、今・来期が黒字、東証1部上場は、三井ホーム (T:1868)、アグロカネショウ (T:4955)、名村造船 (T:7014)、カナデン (T:8081)などとなる。
なお、こうした銘柄のスクリーニングはFISCOアプリで可能となっている。
■短期的には建設株の上方修正に期待 短期的な観点からは、今期業績の上方修正期待で建設株に注目したい。
建設株の収益は第4四半期のウェイトが大きく、コンセンサス以上の上方修正の余地もあると考える。
例えば、大林組 (T:1802)は、過去4期間でみて、1-3月期の営業利益のウェイトが48.5%に達している。
今期予想の前提はわずかに7.4%である。
大手ゼネコンのなかでの注目銘柄は大林組 (T:1802)、業績上振れ余地が相対的に大きいほか、粗利益率の相対的に高い土木事業の受注が堅調なことが挙げられる。
4-12月期の土木受注高がプラスとなっているのは、大手ゼネコンで大林組のみである。
また、中小型建設株の注目銘柄だが、こちらも、来期以降の業績に影響する受注が好調な銘柄に絞りたい。
森組 {{|0:}}は、第3四半期累計受注高が前年同期比7.6%増、通期受注計画は上方修正している。
今期業績は2度の上方修正で復配も発表、かつ、第3四半期累計進捗率は95%に達している。
ほか、淺沼組 (T:1852)にも注目。
第3四半期累計受注高は前年同期比1.5%増、とりわけ、採算のよいと見られる土木工事が同36.9%増と大きく伸長。
今期は上半期決算前に大幅上方修正しているが、第3四半期累計進捗率は93%に達している。
(アナリスト 佐藤勝己) フィスコ個人投資家向けセミナー 「大荒れの新年度日本株相場をフィスコアナリストが読み解く!」 セミナー資料より抜粋