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投資家Bコミが旅した投資の過去・現在、そして未来へ ~後編~

 
Bコミ氏

前回に引き続き、【後編】では、Bコミ氏が培ってきた投資手法や情報収集のポイントなど実践的なテーマに迫る。そして、株式だけでなく、不動産、債券、為替、仮想通貨に至るまで、Bコミ氏が予想する投資の未来について語ってもらった。

Bコミ氏の投資手法と情報収集のポイント、投資ルールについて

―Bコミさんの投資手法について教えてください。

かんぽ生命でのファンドマネージャー時代に鍛えられた運用機関の基本ですが、三つのシナリオ、「メインシナリオ」と「リスクシナリオ」と「サブシナリオ」をしっかり立ててから、それらを軸に見通しを立てて投資をしています。ある出来事に対して、自分のメインシナリオが崩れてないか、ずれていないかを確認しながら投資を進めます。そういう投資手法はプロの見方ですが、株式の投資家にもやってほしいなと思います。

現在の投資は、中長期をメインにしていまして、額は結構少なく、去年の最大時の 1/10ぐらいになっています。その理由は、5年間ずっと強気で、押し目買いしとけばいいということだったので。この理由も、いろんなリスクを言う人がいますが、すごくシンプルに考えると、米国株がずっと上がっているという事実があります。企業の増益とマクロ関係が良い状態で米国株がずっと上がっています。チャイナショックとか欧州不安などいろいろありましたが、全部それを打ち消して株価が上がり続けたわけです。だから変な事を考えずに、好業績とマクロの好調が続くのであれば、ずっと押し目買い、押し目が一番のチャンスだと。1回分で20%ぐらい大体押すんですけど、その時に買って、20%戻って、そこから15%、20%上がることもあるので、それだけ5年間しておけばよかったんです。

しかし、この見通しが難しくなってきまして、去年の10月末、11月の頭かに「来年、米国減益になるよね」という見通しになり、この強気を一気に弱気にしました。とりあえず、「日本株は当面、上値が重いからやるなよ」、「ポジションを減らせよ」みたいなことはずっと発信していますね。僕も実際にそういうポジションですが、今のところ米国株は戻ったものの、日本株は戻っていないので、当たってたかなと僕は思ってます。米国の株価が実際に戻ったのも、金利が下がったからなんです。はっきり言って、それだけですよ。米国は一昨年と去年に20%、20%と伸びたので、それは強いねという話ですが。それで今年は、前期比マイナス3%ぐらいなのに、下期回復論みたいな話をずっとしていて、大丈夫かなと感じてます。だから「米国株危ないですよ」というのが僕の見通しです。

―情報を得るために参考にしているものはなんですか?

 インヴェスティング・ドットコムのデータベースというか、チャートに紐付くデータですね。自分の自己資料をまとめる時にはよく使ってますよ。いろんな指標の時系列が綺麗に出るじゃないですか。自分で加工する手間さえかければ、プロと同じようなデータベースは取れます。その中でも、ハイイールドのスプレッドは「炭鉱のカナリア」だと思ってます。後、シェールオイルのリグ数みたいのもあるじゃないですか。こんな感じでデータの宝庫だと思っているので、すごく重宝しています。それらデータを自分でエクセルに貼り付けて使ったマクロというか指標の資料集みたいなのがあります。

 

 

データを独自に集積している

こんな感じで、御社の時系列を活用して作ったものが多いです。基本的に、数字、マクロのあたりは、インヴェスティングから持ってきまして、後は、出元から取ってくることも当然あります。東証の需給などの経済指標とかは取りに行きますし、あとマネックス証券の「銘柄スカウター」が僕は好きですね。あれは10何年分ぐらいの時系列が取れますから、非常に便利だなと感じています。

ここまでが定量情報だとしたら、あと、ファンダメンタルズで重要なのは定性分析なので。そこは、資料・決算説明書の読み込みから始まって、実地調査を行なっていますね。やっぱり足で稼ぐ情報が大事ですね。うちに株に妙に詳しいスタッフがいるんですが、彼は行ける総会とか、説明会に必ず足を運んで必ず質問してます。ほぼアナリストとやってることが変わりません。彼と一緒に説明会やIRフェアなどに行ったりしながら分析してます。

―そのようなマクロ指標に慣れるために何かオススメの勉強方法などありますか?

個人投資家に必ず勧めるのが、『投資家のための金融マーケット予測ハンドブック(三井住友信託銀行マーケット事業 )ですね。これは第6版まで出ていますが、若手のファンドマネージャーの机にはほぼ必ず置いてあります。経済指標の説明が日米、中国もあるんですけど、経済指標のニュース等々を見て分からないことがあればこれを見ると。それを繰り返すと、いつのまにか経済指標は分かっているという本ですね。こういう話をいつもして勧めるんですけど、なかなか人気ないですね(笑)。みんなマクロが嫌いというのもあります。ベースとして、それだけで儲かるわけじゃないんですが、「そこは押さえておこうよ」というのはありますね。とはいえ、日々の積み上げが大変なのでテクニカルになぜ逃げちゃうのかなと思ったりしますけどね。

―Bコミさんの投資ルールや何か徹底していることはありますか?

僕は、「ルールを作らないこと」が大事だと思ってるんですよ。ルールを30個とか40個とか机とかに貼ってる投資家さんがいると思いますが、ルールを貼っても、破るんですよね。破るルールだったら作らない方がいいと昔から思っています。ただ、唯一投資家が作るべきは、「損切りをちゃんとすること」に尽きます。後は、短期投資のデイトレーダーの場合は、「1日の最大損失の額を決めること」の二本立てでいいと思います。後者は、例えば5%やられたら損切りするというルールがあるとして、仮に1日10回、5%やられるとしたら、40%のドローダウンになるわけじゃないですか。これは、損切り額よりでかい損失ですよね。なので例外的に、短期売買の個人投資家の方は、売買ごとのロスカットと、1日の許容額、両方を作るべきですね。

―損切(ロスカット)の幅はどのように決めればよいのでしょうか?

これは、「銘柄のボラティリティ」と「損失の許容額」、後は「勝負している割合」によって変わりますので、一概には言えません。ただ間違っているのは、ボラティリティに対して使えないロスカット幅を設定している人で、そこは自分がいくら儲けたいのかと、そのためにどれくらいのリスクを許容するのかを元にロスカット枠を作るべきです。そして、それをただ守るということになります。

蔵書の一部

Bコミ氏の「投資の未来」 不動産、債券、為替、仮想通貨について

―株式以外に不動産投資とかはやられるんですか?

不動産やってますよ。かんぽにいた頃にポートフォリオ運用を学びまして、キャピタルよりインカムの資産で増えましたので、そこは寝とけばお金入ってくるぐらいの感覚で僕は十分だと考えています。逆に2億ある人がゼロを1個増やしたいから専業になりましたみたいな人がいるのですが、否定はしないですけど、すごく大変だし、僕はコンビニバイトでもしとけば最後までいけます、というところがゴールだと思ってますよ。仕事もあんまり資本がかからないことばっかりやっていますからね。

あと、太陽光発電も大好きで、初期にかなり力を入れましたけど、非常に利回りが良い資産となっています。かんぽ時代の先輩に、FIT(Feed-in Tarif:固定価格買取制度,  再生可能エネルギーの買取価格について法律で定めた助成制度)の制度ができた時に、「この法律ってどうなんですか?」と見てもらったら、「これは良くできている。官僚が作った法律だね」と。政治家がアドバルーンでやったときはスカスカなんですが、これは多分大丈夫だろうと言うことで、ちょっとやるかといって自分で土地を買いに行って、太陽光を始めました。

―現在でも太陽光に力を入れているんですか?

今年、1基やろうかなと思ってます。北海道に土地を確保していて、始めは風力発電をやろうとしたんですが、申請が間に合わなくて、太陽光も取ってはあるので、今までのノウハウを集大成した発電所を一個作りたいなと思ってます。

普通、300坪弱ぐらいで出来るんですけど、そこは500坪あります。小規模の太陽光発電所としてパネルとパワコンどっちか50kW 以下であれば運営できるので。それで、パワコンを49kWとかにして、パネルを100kW敷くんです。それでパネルが安いので両面にして、下に白い防草シートを反射で塗っておこうとか、メンテを任せて年に1回パネルをずらせるようにして日を全部追えるようにしようとか、こんな感じで日照量の少ない北海道でも採算とれるかなと考えながらシュミレーションしているところですね。

外債が好きです。ファンドマネージャーをやっていたのもあるんですが、いい時に買えば利回りが固定しますから。最初、僕はギリシャショックの時、イタリア、スペインの外債を買って、その後、3年前くらいにブラジルの政情が荒れていた時に、13、14%ぐらいになったのでそれを買って、7%ぐらいに縮まったので売って、今はメキシコという流れです。

―債券の方がある意味、株式投資よりも可能性がある感じですかね?

そうですね。利回りが高い時に持っているものはかなりいいと思います。あと、学資保険の代わりに僕は外債投資をやるべきだというのをずっと言ってるんですけど、みんな全然そこはイメージしてくれなくて。というのもファンドマネージャーをやっていた頃に、保険会社のALM(Asset Liability Management:リスク管理方法の一種)という資産配分をするのに、どういう金融商品をはめるのかをやってたんです。そこで学資保険については、基本、国債(日本の)買って終わりです。全期全納で最初に入れて、18年後に受け取るんだったら、外債を買ってずっと持ってる方がいいのにってなりますね。トルコは別ですけど、為替リスクも利回りが高ければ、回収できるので。学資保険に外債を使うっていうのは非常にいいかなと思いますけどね。

―今後の為替の見通しについて教えてください。

為替はやっぱり、ドル円の話になっちゃいますね。僕の理論は2国間の金利差っていうのは、すぐには縮まらないけど、今の日米だと半年ぐらいで縮まるというのがパターンとしてあって、去年の4月ぐらいかに為替105円ぐらいの円高になって結局、円安になったのは、米国の金利がずっと上がっていた状況に、半年でキャッチアップしたという形なので、今回もそんなんじゃないかと予想しています。僕も生保にいたのでわかるのですが、円高バイアスがかかる状況になって、みんなが利下げの催促相場を始めてしまったら、とりあえずある金を米債に全部突っ込めみたいになるわけですよ。だから105円当然、100円でもおかしくないかもしれないという状況に入りつつあるので、よく保っているなというのが、ドル円の感想ですね。

―半年ぐらいしたら円安に振れるという話をする人もいますが。

いますね。僕は円高しかないのでは、と思っています。特に米国が利下げしようものなら、そうだろうと。欧州も利下げというか、緩和しかないよねっていう感じになっているので、結局は円高かなと思ってます。経済政策的に考えてそうなるし、今の2国間の通貨はそうかなという気はしています。

―仮想通貨について、どのように考えていますか?最近はFacebookのリブラが注目されていますが。

 結局のところ、ビットコインをはじめ仮想通貨を使える店が増えなかったじゃないですか。実需がついてきていればバブルではなかったんですけどね。実需がついてこなかったために一昨年に価格が暴落したことに関しては、「それは違う」という仮想通貨周りの人はあまりいないですね。僕も去年くらいに、ロジャーさんとかジハンさんが来た仮想通貨の大きなイベントに株の視点から参加して仮想通貨の人と意見交換をしたんですけど、あんまり否定的な感じはなかったですね。ただ、流通というよりは仕組みづくりに価値を見出している人の話が多かったかなと思います。

ただ、仮想通貨が国境をまたいで使えるようになることは、たぶんないと思っています。そうなりそうであってもおそらく、中銀が出てきて、「仮想通貨は俺たちがやる」という話になり、規制づくりが好きなECBあたりから始めますよ、みたいな話になると思うんですよ。それに続くように、仮想通貨が国家管理の通貨になるというのが、僕の思う行末ですかね。それで実需が生まれないなら、今の仮想通貨ってそんなにプライスって上がらないんじゃないかと思います。これは人それぞれ様々な考えがあるし、仮想通貨が本当にすごいと思っている人はパッションがあって、この技術は素晴らしいんだと、国境を越えたマネーっていう人もいますけど、それを否定するつもりはないですが、実需がないというのは通貨としては致命的だよね、というのがこの3年ぐらいの流れの総括だと思います。今話題のリブラについても、米国は自由競争と言ってますが、国益の根幹を揺るがすような事に関しては絶対に許さないですからね。だから、そういうことだろうなと思って見ています。

日本株の下値が堅い理由と買いのタイミングについて

―2019年後半、日本の相場はどう動くと予想しますか?

ほとんど変わらないと思いますね。日本株はネガティブな一方で、下値は堅いという見通しです。それは日銀が6兆円買いますというのもありますし、個人投資家の滞留資金が結構多いんですよね。そこは公募の投信の統計を見てもらえば分かりますが、MMF(マネー・マーケット・ファンド)、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)の残高が11兆ぐらいあるんです。昔はこれに利子がつくから置いとけとなっていましたが、今はつかないので。では、なぜ、みんな証券会社に資金を置いてるのかと言うと、すぐ押し目買いしたいからという機動的資金だと思うんですよ。つまり、押し目になると彼らは出動するはずです。そう言う背景があり、下値が堅いと考えられます。

下値の目処はどこになるかというと、PBR 1倍です。去年だったらPBR 1倍が19,000円で、そこになった時、みんな「はっ」と我に返って買い始めたんです。PBRは年度末の水準を見ますので今年度は2万円前後まで上昇しています。PBRからいうと、一番低かった時が、リーマンショック、東日本大震災の時、0.8倍前後だったと思うんですね。その時は9,000円ぐらいだったのが7,000円まで行ってるので、その温度感で現在を見ると17,000円台前半とかで最悪止まることが予想できます。仮にそれを切っちゃうと、リーマンと東日本大震災と同じぐらいで、かつ、その時全然利益ってなかったのにと。今は、ある程度の利益があるので1万円まで下がりますって言う予想がありますが、何を根拠に言ってるのか分からないんですね。これで国が資産税をやりますとなると話は別だと思うんですけど(笑)。だから僕は1万円になったら髪を紫にしますよというのは断言してます(笑)。

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