先々週は重要イベントであるFOMCがありましたが、9月の利上げを見送る結果となりました。
年内、利上げに含みを持たせた発言はありますが、貴金属、金融市場は、流れが変化したのではないでしょうか。
NY金相場日足をご覧ください。
こちらは昨年10月からの日足チャート、一目均衡表と取組高を表示しています。
青の線である一目均衡表の転換線に注目すると、これまでトレンド発生の起点や、上値抵抗、下値サポートとして機能していることがわかります。
NY金相場はその転換線をFOMC後に上抜いてきました。
さらに、赤の基準線や雲も上抜けたことで基調が変わったと見ることができます。
目先は、転換線が下値サポートになるかに注目しましょう。
一方で、NY金市場の取組高はFOMC後に徐々に増加、また金ETFも増加してきており、FOMC後に金市場へ資金が流れていることがわかります。
CFTCの建玉明細を確認しておきましょう。
投機筋の建玉は、やはりFOMC後に売りが減って、買いが増えてきています。
年内、特に9月に利上げするとして、これまで金相場は上値重く推移していました。
しかし、中国や新興国に配慮して9月の利上げ見送りを決め、その中国や新興国経済が年末までに好転してくるのは難しいでしょう。
従って、米国は年内の利上げをするのは難しいのではないかと私はみています。
市場の見通しでも、年内利上げしないという思惑が増えてきています。
今後は、今週末発表の米国雇用統計に着目しましょう。無難にこなすと、年内利上げの含みを残しつつも利上げはないと思っています。
NY金相場は、人気のバロメーターである、取組高の推移、金ETFの推移を確認しつつ、雇用統計の結果が極端な結果にならない限り、NY金市場のトレンドは、強気の展開となるとでしょう
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。