ユーロ/円相場は、120円の節目を試す展開になっている。投資家マインドが総じてリスクオンの方向に傾いていることに加え、円売り圧力が継続する中、ユーロ高・円安傾向が維持されている。120円の節目で抵抗を受けているが、特に本格的に戻り売り圧力も見られない。
1月10日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されたが、政策金利は過去最低の0.75%に据え置くことを決定した。ユーロ圏では景況感の改善が年内の緩やかな景気回復見通しを支えており、利下げ対応の必要はないと判断された模様だ。ドラギ総裁は、「経済は今年後半に段階的に回復するはずだ」として、総じて楽観的な景気見通しを示している。マーケットでは厳しい景気見通しが示されることで、追加利下げ観測が浮上するリスクが警戒されていた。しかし、今会合では金利据え置きは全会一致であったことが確認されており、少なくとも直ちに追加緩和が要求される状況ではなくなっている。金融政策面から、ユーロが下振れするリスクは後退している。
一方、円サイドの状況に大きな変化は見られない。安倍首相は2%のインフレ目標導入を主張しており、22日の日本銀行・金融政策決定会合で日銀が共同歩調を打ち出せるのかが焦点になる。ただ、ここで日銀が突然に緩和政策に拒否反応を示すとは考えづらく、トレンド転換を想定するのは難しい状況が続いている。どの水準に到達すれば「行き過ぎた円高是正」と言えるのかは議論があるものの、現行価格をオーバーシュートと見る向きは少ない。押し目は買い拾って行きたい。対ドルでのユーロ高がリスク要因になる。
今後1週間の予想レンジは、117.50~123.00円。