今週は投機筋の建玉を示すCFTC建玉明細の発表が月曜にずれ込みました。
これは、雇用統計後の11/10現在のデータになります。
この日付を考慮して、NY金・白金の相場を展望したいと思います。
NY金、相場展望
まずは、NY金ですが、先週は下落が続きました。
週明けの昨日は、週末に起きた仏のテロ事件の影響で、有事の金買いで、買戻しが入りましたが一服しています。
CFTCの建玉明細をみてみましょう。
先週は雇用統計の結果を受けて買いが整理されると話しましたが、結果はその通りとなり、買いは700トンを割り、650トン付近まで減少しています。
これで買いの整理売りは一巡したとみていいでしょう。
一方の売りは一気に400トンまで増加し、買い越しは200トン前半まで減少しています。
11/6(金)雇用統計発表後の下落の主役は、投機筋の買いポジションの整理売りによるもので、これは一巡し、落ち着いてきています。
これからさらに下げるには、投機筋の新規売りが積み上がらないといけません。
どこまで売りが積み上がるかが問題になってきます。
今年の売りのピークは7/21の640トン台で、いまから200トンもあります。
ただし、私はそこまではないと思っています。
現在は1080ドルで推移していますが、積み上がるとさらに下落します。
底値もみあいとなると、売りの買戻しが入りやすくなり、相場は上昇に転じるきっかけになります。
先週は、雇用統計発表後の安値を割り込んだ場面もありましたが、なかなか下がらない状況にあります。
いまからもう一段下落があると、地合いは7/21の状況に近づき、反動がある可能性が高まります。
私は、利上げが織り込まれた市場は、さらに下げるのは難しく、底値を形成していくとみています。
売買戦略としては、買いポジションを持っていなければ、現在の価格で買いも良いと思います。
もう一段下げて、売りが600トンに近づくとさらに買えるだけの資金配分を心得ましょう。
買いポジションを持っている方は、様子見が良いでしょう。
NY白金、相場展望
NY白金は、金以上に下落しました。
鉱山会社ロンミンの株主総会で、割当増資の賛否を問うようで、これが否決され破綻するという思惑が相場のサポートになっていましたが、賛成される見通しとなったことで破たんリスクが遠のき、相場は下落しました。
投機筋のポジションは、買いは変わらず、売りは積み上げが少ない状況です。
その後も下落しており、買いの整理売り、新規の売りの積み上がっていることでしょう。
白金も新規売りがどこまで積み上がるかが問題です。
さらに、白金は鉱山生産の主要地である南アフリカの通貨ランドが安値を更新していることが下落に拍車をかけています。
白金は、金より強気になれないのがいまの本音です。
ただし、陰線引けが長引き、相対力指数が30割れで、週末はわずかながら陽線引けになり、目先は売られ過ぎの反動があるとみています。ただしあまり上はないでしょう。
反発地合いは薄いと見ています。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。