先週は米国の雇用統計が発表になりました。
結果は以下の通りです。
非農業部門雇用者数の5月、6月の数字は上方修正されましたが、7月は事前予想よりは良くなく、21.5万人という数字でした。
タカ派は、直近3か月の間で20万人以上が続いたため、9月の利上げがあるとみていますが、一方で数字が先細りであるため、9月の利上げには慎重な声も上がっています。
9月の雇用統計はさらに注目ですが、私は年内の利上げは無理なのではと思っています。
それは、非農業部門雇用者数が先細りであること、それからこのところの米国企業の決算が良くないためです。
この雇用統計の結果を受けて、NY金市場は一時的には1100ドル近くまで上昇するも、その後は下落して1090ドル前後で推移しています。
1080ドルを維持したことで反発したわけですが、上は1100ドルを上抜けできず、レンジの動きになっています。
CFTCの建玉明細(8/4現在)は、あまり変化がなく、依然として売りが溜まった状態で、ショートカバーが出やすい地合が続いています。
何かの材料があれば、それがきっかけとなり、ショートカバーが誘発され、NY金は反発する可能性があります。
さて、本日は、NYダウに注目してみました。
NYダウは変調の兆しが見えています。
こちらは、NYダウ週足の一目均衡表チャートですが、赤い線(基準線)と緑の線(遅行線)に注目してください。
まずは、赤い線の基準線ですが、現在相場は赤い線を下回り、3週間も経過しています。
過去に、2011年10月の調整局面以降、相場が赤い線を2週間以上も下回り続けたことはありませんでした。
また、緑の線(遅行線)は、2011年調整の時期以降はずっと相場よりも上にあったのですが、ここにきて割り込んできています。
これまで4年間続いたNYダウの上昇相場が変調してきました。
NYダウが低迷すると、為替市場でドル安・円高となる可能性がありますが、金市場にも影響が出てくるでしょう。
東京金は円高の影響を受けるでしょうが、一方でNY金はドル安で上昇する可能性があります。
その際には、溜まっていた投機筋の売りが買い戻され、ショートカバーにより反動が大きくなることが予想されます。
NYダウの今後の動向には注意が必要です。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。