[スタインハッチー(米フロリダ州 30日 ロイター] - メキシコ湾を北上中のハリケーン「イダリア」が30日朝、米フロリダ州都タラハシーの南東121キロに位置するテイラー郡に上陸した。フロリダ州で強力な高潮などによる被害をもたらした後、午後には勢力をやや弱めながらジョージア州南東部に進んでいる。
フロリダ州、ジョージア州、サウスカロライナ州の3州では非常事態宣言が発令され、数百万人が避難している。
米国立ハリケーンセンター(NHC)は先に、イダリアは5段階で2番目に強い「カテゴリー4」に発達したと発表したが、 その後、勢力はやや弱まりカテゴリー3となった。
ジョージア州南部を通過する間はハリケーンとしての勢力を維持する可能性が高いとの観測も出ていたが、午前11時までに最大風速は時速150キロに衰え、ジョージア州南東部に達した時点ではカテゴリー1となった。
フロリダ州のデサンティス知事は記者会見で、30日午後にはイダリアの中心部はフロリダ州を離れたと明らかにした。ただフロリダ州北部などはなお暴風雨に見舞われており、NHCはフロリダ州メキシコ湾岸、ジョージア州南東部、ノースカロライナ州とサウスカロライナ州の東部は、31日までに100─200ミリの大雨に見舞われる恐れがあると警戒を呼び掛けている。
フロリダ州では、被害の大きかった地域の被害調査がなお継続中。セントピーターズバーグ市はX(旧ツイッター)に、75人を超える人が洪水から救助されたと投稿。大雨の中、小型ボートに乗った救助隊員が浸水した地域を移動する様子を撮影した動画も投稿した。
<航空便が多数欠航>
イダリアのフロリダ州上陸を受け、米国ではこの日、1000便を超える航空便が欠航。航空便を追跡するフライトウエア・ドット・コムによると、30日米東部時間午後12時までにサウスウエスト航空が220便超、デルタ航空が157便を欠航した。
アメリカン航空はフロリダ州のタンパやタラハシーを含む複数の空港で運航を停止。これまでに167便を欠航した。
このほか、約2000便が遅延しているという。
<保険損害額は93億6000万ドル>
UBSはイダリアによる保険損害額は、事前の見積もりに基づき93億6000万ドルになると予想している。