Jarrett Renshaw Nichola Groom
[6日 ロイター] - 米内務省は6日、トランプ前政権がアラスカ産業開発輸出公社(AIDEA)に付与したアラスカ州の野生動物保護区での石油・ガス採掘のための土地借用(リース)権を取り消すと発表した。
トランプ前政権はバイデン氏が大統領に就任する前日に、北極圏野生生物保護区(ANWR)で7件のリース権をAIDEAに与えた。バイデン氏は1960万エーカー(790万ヘクタール)のこの地域はホッキョクグマやカリブーの生息地だとして保護を約束していた。
同氏は声明で「気候変動による北極の温暖化が他の地域の2倍の速さで進んでおり、われわれはこの貴重な地域を全ての年代のために守る責任がある」と強調した。
内務省の今回の決定を環境保護団体や一部のアラスカ先住民グループは称賛した。一方、アラスカ州選出のダン・サリバン上院議員(共和党)は「われわれの経済とわれわれの土地に合法的にアクセスする能力を著しく損なう」と批判した。
政府はまた、アラスカ州ノーススロープの2300万エーカーに広がるアラスカ国家石油保留地(NPRA)で1000万エーカー強の区域を対象に将来の石油・ガス採掘のためのリース権付与を禁止する規制も発表した。
気候変動対策として公有地での石油・ガス開発を制限するバイデン政権の政策の一環となる。
AIDEAは法廷闘争に持ち込む意向を示した。
内務省は取り消しの理由として、新たな環境影響調査で21年のリース権付与の根拠となった分析結果に重大な誤りがあることが分かったと説明した。
政府の統計によるとアラスカ州の石油生産は現在、日量50万バレル未満と、1988年の200万バレル余りの水準から大幅に減少している。