Elizabeth Piper Andrew MacAskill
[ロンドン 7日 ロイター] - チャールズ英国王は政府の施政方針演説を7日に英議会で読み上げ、犯罪対策、経済成長促進、気候変動対策の緩和などの方針を示した。来年に見込まれている議会総選挙の前では最後の施政方針演説になるとみられ、与党の保守党を率いるスナク首相は施策で野党労働党と一線を画す方針を示した。
世論調査では労働党が支持率で保守党を大きくリードしている。スナク氏側は家計の負担になっている気候変動目標を軽減し、暴力犯罪者への刑を厳しくするなどの施策を打ち出すことで労働党との支持率の差を縮めたい考えだ。
演説に目新しい内容はあまりなく、スナク氏が昨年首相に就任してから取り組んできたことをまとめた。
国王は「わが国の政府はあらゆる点で、将来の世代のために長期的な判断をすることを目指す」とし、「長期的な判断を下すことで政府はこの国を変え、より良い未来を築く」と語った。
国王が読み上げた施策は主に国内向けだったことは、英国が既に選挙戦に突入していることをうかがわせた。労働党は演説前に、保守党が提示しているのは「策略、分裂、同じようなことの繰り返しだけだ」と批判した。