Yuka Obayashi
[東京 29日 ロイター] - アジア時間の原油先物は続伸している。黒海地域の暴風雨でカザフスタンとロシアからの輸出に障害が出ており、供給不安が強まった。投資家は、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国で構成する「OPECプラス」の会合待ちとなっている。
北海ブレント先物 は0127GMT(日本時間午前10時27分)時点で0.33ドル(0.4%)高の1バレル=82.01ドル。米WTI先物は0.45ドル(0.6%)高の76.86ドル。
OPECプラスが減産を延長か加速する可能性が指摘される中、両指標とも前日は約2%上昇した。
当局者の話や港湾関連のデータによると、黒海地域の暴風雨のため、カザフスタンとロシアの原油輸出のうち日量最大200万バレルが停止している。カザフのエネルギー省によると、国内最大の油田は27日から1日当たりの生産量を56%削減しているという。
日産証券傘下NSトレーディングの菊川弘之社長はカザフからの供給途絶の懸念がある中、OPECプラスの会合を前にショートカバーが入ったと指摘。
また、OPECプラスの生産計画や今年終盤の需要見通しが市場の注目を集めていると述べた上で、OPECプラスが減産幅を大きく拡大しない限り、WTIは76ドルを中心に上下5ドルのレンジで推移すると予想した。
OPECプラスは2024年の生産量を巡り、30日にオンラインで閣僚級会合を開く。
ドルの下落や米原油在庫の減少も原油相場の支援材料となった。
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