Jonathan Saul
[ロンドン 18日 ロイター] - ロンドン保険市場の戦争委員会連合(JWC)は18日、高リスクと見なす紅海の範囲を拡大したと発表した。
ロイズ市場協会(LMA)のシンジケートメンバーと国際引受協会の代表で構成するJWCの判断は、保険会社による船舶保険料の検討に大きな影響を与える要素として注目されている。
高リスク地域を拡大した背景には、イスラエルを敵視するイエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での商船攻撃急増がある。フーシ派は商船乗っ取りを企てるばかりでなく、イエメン沿岸から商船を狙ってミサイルも発射。このため一部の海運会社は、危険を避けるために南アフリカの喜望峰沖を大回りする航路を選択せざるを得なくなっている。
こうした中で紅海の海上輸送費用は最近数日で跳ね上がった。
戦争危険によって船舶に生じた損害をカバーする「船舶戦争保険」の保険料は18日時点で船舶1隻の価値に対して推定0.5―0.7%前後と、今月初めの0.07%から大きく上昇。さまざまな割引を適用したとしても、7日間の航行では数万ドルの追加費用が発生することになる。