日（火）、ゴールドマン・サックスはパラマウント・グローバル（NASDAQ:PARA）のカバレッジを「売り」で開始し、同メディア企業の株式の目標株価を9.50ドルに設定した。同社は、Paramount+の黒字化や劇場興行収入の正常化を認めつつも、悲観的な見通しの理由として、パラマウントの伝統的なケーブルおよび放送ネットワーク事業における課題を指摘している。
ゴールドマン・サックスのアナリストは、Paramount+の黒字化や映画業界の回復については楽観的な見方があるものの、これらの要因がリニアケーブルや放送ネットワーク事業の継続的な落ち込みを補うことはないだろうと指摘。パラマウントの売上は、2030年まで300億ドルから310億ドルの間で推移し、比較的横ばいになると予想されている。DTC（消費者直販）サービスや映像エンターテイメントの成長は、TVメディア収入の減少によって相殺されると予測されている。
報告書は、コードカットのトレンドがTVメディアのアフィリエイト料と広告収入にマイナスの影響を与え続けることを強調している。しかし、放送スポーツ分野、特に大学フットボールとCBSのNFL放送は回復力を維持すると予想される。また、DTC部門は、値上げ、戦略的配信、的を絞ったコンテンツ投資により成長が見込まれ、加入者数とユーザー一人当たりの平均収入（ARPU）の増加につながるとみられる。
映画興行部門については、労働争議後のコンテンツ・ライセンスの正常化や興行成績の回復による成長が見込まれる。こうしたプラス要因にもかかわらず、パラマウントの減価償却前営業利益（OIBDA）は、2024年から2030年までの中期的には横ばいになると予想される。
その他の最近のニュースでは、パラマウント・グローバルが一連の買収や戦略的提案の可能性で注目を集めている。スカイダンス・メディアは、パラマウントの無議決権株式の一部を1株あたり15ドルで取得する入札を修正したが、これはパラマウントの取締役会内の特別委員会によって支持された動きである。こうした動きの中、ウェルズ・ファーゴはパラマウント株のレーティングをイコール・ウェイトに据え置いた。
一方、金融家のスティーブン・ポールは、パラマウントの支配的株主であるナショナル・アミューズメンツに30億ドルのオファーを提案している。また、エドガー・ブロンフマン・ジュニアもベイン・キャピタルと共同で、ナショナル・アミューズメンツに対して20億ドルから25億ドルと見積もられる入札を検討している。
ローゼンブラットのアナリストは、パラマウントのストリーミングサービスに対する評価は限定的で、テレビネットワークに対する収益倍率は低いと述べている。これらの交渉の結果は、今後のパラマウントの方向性と運営に大きな影響を与える可能性がある。
InvestingProの洞察
パラマウント・グローバルに対するゴールドマン・サックスの最近の売り評価を踏まえ、InvestingProのリアルタイムデータは、メディア企業の株式を検討している投資家に追加の視点を提供する。パラマウント・グローバルの時価総額は71.5億ドルで、業界での地位を反映している。伝統的なケーブルおよび放送ネットワーク事業が直面している課題にもかかわらず、パラマウント・グローバルは0.33という低い株価/帳簿倍率で取引されており、バリュー志向の投資家を引き付ける可能性がある。
アナリストは株価のボラティリティの高さを指摘しており、1ヵ月間の価格総合リターンは-13.54%で、同社に対する現在の市場心理に関連するリスクを強調している。とはいえ、パラマウント・グローバルは19年連続で配当支払いを維持することで株主へのコミットメントを示しており、現在の配当利回りは1.94%となっている。
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