JPモルガン、テスラ株のアンダーウエート・レーティングを維持

この上昇は、同社が2四半期連続で車両納入台数が前年同期比で減少し、2024年第2四半期には5％減少すると報告しているにもかかわらず発生した。これは、JPモルガンが同期間に前年同期比で約22％成長したと推定する、より広範なバッテリー電気自動車（BEV）市場とは対照的である。

同社の分析によると、テスラはBEV分野だけでなく、第2四半期に前年同期比3%増を記録した自動車業界全体と比べても市場シェアを落としている。さらに、テスラの業績は、第2四半期に前年同期比で横ばいと報告された内燃機関車の世界市場を背景としている。

テスラの納車台数が減少したにもかかわらず、投資家のセンチメントが好転したのにはいくつかの要因がある。第一に、販売台数の落ち込みがそれほど急ではなかったこと。第二に、テスラは生産台数を消費者の需要により近づけることに成功し、同社の運転資本とフリーキャッシュフローの安定につながると期待された。第三に、テスラはエネルギー・ストレージ分野で大きく前進したようで、縮小する自動車事業への貴重な対抗策となりうる。

JPモルガンが設定した目標株価は、テスラの業績と市場動向という広範な背景の中で、テスラ株に対する同社の継続的な警戒感を反映している。アンダーウェイトのレーティングは、テスラの株価がアナリストのカバレッジユニバース内の銘柄の平均リターンに比べてアンダーパフォームする可能性があると同社が考えていることを示唆している。

その他の最近のニュースでは、テスラに重要な進展が見られた。欧州連合（EU）は、テスラ製を含む中国の電気自動車（EV）に関税を課すことを検討している。欧州委員会は、テスラの中国生産モデルを含むさまざまな中国自動車ブランドに対し、最大37.6%の暫定関税を確定する可能性がある。この決定は10月にEU加盟国の投票によって決定される。この関税は、中国メーカーが補助金によって得ているメリットを打ち消すことを目的としている。

キャシー・ウッドのARK ETFはテスラの保有株を減らし、62,867株を売却した。このような状況にもかかわらず、テスラの第2四半期の納車台数は予想を上回り、ファクトセットのコンセンサスと同社自身の予想をわずかに上回る44万4,000台に達した。しかし、前年同期比では5％の減少となった。

ウェドブッシュ証券はテスラの目標株価を275ドルから300ドルに引き上げ、アウトパフォームのレーティングを維持している。この調整は、テスラの第2四半期の納車台数が予想を上回ったことによる。一方、トゥルーイスト・セキュリティーズはテスラ株の目標株価を162.00ドルとし、ホールドを維持した。

インベスティングプロの洞察

テスラ(NASDAQ:TSLA)が現在の市場ダイナミクスを乗り切るには、同社の財務健全性と株価パフォーマンスを正確に分析することが不可欠だ。InvestingProのデータによると、テスラの時価総額は7,375億3,000万ドルで、PERは53.27倍となっており、投資家が1ドルの利益に対して支払うことを望んでいる高い利益倍率を示している。これは、2024年第1四半期時点の過去12ヵ月間の調整後PER54.02より若干高い。さらに、テスラの過去12ヵ月間の売上高成長率は10.12%で、市場の課題にもかかわらず売上高を増加させる同社の能力を示している。

InvestingProのTipsは、テスラが自動車業界の有力プレーヤーであり、流動資産が短期債務を上回っていることから、財務基盤が強固であることを示唆していると強調している。しかしアナリストは、目先の利益成長率に比して高いPERや、予想される当期純利益の減少などの懸念を指摘している。加えて、株価の最近のパフォーマンスはボラティリティの高さが際立っており、直近1週間、1ヶ月、3ヶ月のリターンは大きいが、6ヶ月と1年間のトータル・リターンは低下している。

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