[ロンドン 1日 ロイター] - 英銀大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS) (L:RBS)が1日発表した第1・四半期決算は税引き前利益が5億1900万ポンドとなり、前年同期の10億ポンドから半減した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響に備え、貸倒引当金8億0200万ポンド(10億1000万ドル)を計上したことが響いた。
税引き前利益は、RBSがまとめたアナリストの予想平均(4億1500万ポンド)を上回った。
RBSのアリソン・ローズ最高経営責任者(CEO)は「先行きは極めて不透明なままだが、当行は強い立場、バランスシートへの自信、戦略的な優先事項に注力することによってこの危機に立ち向かう」と述べた。
第1・四半期の利益が予想を上回ったのは、経営不振が続いていた投資銀行部門「ナットウエスト・マーケッツ」の収入が9%増えたことが一因。市場の変動拡大に伴って取引が活発化したことが背景で、リテール部門の不振を補った。
業績への寄与にもかかわらず、現在130人前後の人員削減を進めている投資銀行部門を縮小する方針に変更はないとした。
RBS、HSBC (L:HSBA)、バークレイズ (L:BARC)、ロイズ・バンキング (L:LLOY)は今週、新型コロナの影響によるデフォルト(債務不履行)の増加に備え、4行合計で67億ポンドの貸倒引当金の計上を発表した。
2008年の金融危機時に巨額の公的資金によって救済されたRBSは、英国政府が依然株式の62%を保有している。
RBSのハワード・デービーズ会長は29日、投資家とのウェブ会議で新型コロナの影響でRBSの株価が急落しているため、早期に政府が保有株を売却する可能性は低いとの見方を示した。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200501T091858+0000