[1日 ロイター] - トランプ米政権は1日、新たに購入した新型コロナの検査キット1億5000万個の大半を学校や医療従事者向けに州に配布すると明らかにした。トランプ大統領は学校の対面授業再開を推進しているが、学校側の対応は慎重。ニューヨーク市は、市内の公立学校の授業再開を遅らせる。
政権の新型コロナ対策本部メンバー、ブレット・ギロイル氏は1日の記者会見で、アボット・ラボラトリーズ (N:ABT)から購入した検査キットを配布すると明らかにした。アボットと協力して9月半ばから配布を開始する。デイケアセンターや医療従事者などのファーストレスポンダー(最初に対応する人たち)も優先検査対象となる。
配布する検査キットは、政府が8月下旬にアボットから1億5000万個を7億5000万ドル相当で購入すると発表していたもので、15分以内に結果が判明する。販売価格は1個5ドル。
ギロイル氏は、これまでに8500万件の新型コロナ検査が実施され、陽性率は5%をわずかに上回る水準と説明した。
米国の1日あたりの新規感染者数はここ数週間、減少傾向で、ロイターの集計によると、8月末の新規感染者は7月中旬のピークの半分足らずだった。
ただ、アイオワ州や、8月にオートバイライダーのための大規模なイベントが開かれたサウスダコタ州などの中西部では感染者が増えている。
こうした中、教育の現場では、トランプ氏が推し進める対面授業の再開に不安の声も出ている。
ニューヨーク市は9月10日から新学期を始める予定だったが、教職員の組合は、教師、生徒、職員などを守る適切な感染対策を講じずに新学期を始めることに懸念を示し、一段の安全対策を要求。デブラジオ市長は1日、授業再開を9月21日とすることで、合側と合意したと発表した。市長は「公衆衛生上の対策を確実に実施し、教育者が適切な準備を行う時間を確保することで合意した」と述べた。
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