[ワシントン 9日 ロイター] - 日本と米国、オーストラリア、インドの4カ国の枠組みが12日に開く初の首脳会合では、インドの新型コロナウイルスワクチン生産能力の引き上げへに向けた資金支援での合意が発表される見通し。バイデン米政権の高官が、ロイターに明らかにした。
高官によると、資金支援は米製薬のノババックスとジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の委託でワクチンを生産するインドの企業や機関が、主な対象に据えられる見通し。
日米豪印4カ国の枠組みである「クアッド」は同合意によりワクチン生産能力の不足を補い、接種を加速し、コロナ変異種にも対応したい考えだという。
高官は「ワクチン接種のスピードを加速すれば、一部の変異株の封じ込めも進展するという考えだ。年内に追加の生産設備が稼働し、われわれの総合的な生産能力が大幅に拡大する」と述べた。
インドの追加生産設備の一部は、東南アジアでのワクチン接種の取り組みに活用されることになるとした。
ホワイトハウスのサキ報道官は9日、バイデン大統領が12日にオンラインで開催される日本、オーストラリア、インドとの首脳会合に出席すると明らかにし、新型コロナウイルスの脅威や経済協力、気候変動問題などについて話し合われると述べた。
クアッドは、中国の軍事・経済的な影響力拡大に対抗する非公式な枠組み。
インドはこれまで、クアッドの協力体制に基づき、インドの新型コロナウイルスワクチン生産能力拡大への資金援助を呼びかけていた。大量の国産ワクチン供給で存在感を強めている中国に対抗する狙いがある。