[10日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州委員会で予算を担当するヨハネス・ハーン欧州委員は10日、新型コロナウイルス復興基金の財源を調達するための共同債について、プライマリーディーラー(公認政府証券ディーラー)制度を導入すると発表した。
EUは今年夏から7500億ユーロの復興基金債発行計画を開始する。
同委員によると、復興基金債の一部は入札を通じて発行するが、入札ではプライマリーディーラーが債券を引き受け、投資家向けに販売。市場の流動性を高める。
4月中旬までに制度の基準を明確にし、その後入札手続きに入る。
同委員は、入札によりEUが期間1年未満の債券を発行することが可能になるとし、「債券の取引量が大幅に増えるだろう。そうした意味で、国際市場に対するユーロの影響力がさらに高まる」と述べた。
準備作業には、少なくとも1社の格付け会社が関与する見通し。
7500億ユーロのうち約30%はグリーン債券とし、調達した資金を環境に優しいプロジェクトに投じる。
EUは現在、「環境に優しい投資」の指針を作成中だが、当初は国際資本市場協会(ICMA)の指針に基づいてグリーン債券を発行する。
同委員は、今年6─7月までにグリーン債発行の指針が必要だとし、EUの指針がおそらく2023年か24年に導入されるとの見通しを示した。
現行の失業対策である「緊急時失業リスク軽減支援(SURE)」は、復興基金債の発行に先立ち完了する見通し。SUREについては、5月までに2─3回の債券発行を通じて追加で約300億ユーロを調達する予定。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20210311T040841+0000