[ワシントン 17日 ロイター] - 全米旅行産業協会が17日に発表したリポートによると、2020年の米国人の旅行支出は4920億ドルで、前年比42%減となった。新型コロナウイルス感染抑制のため社会活動や旅行、ビジネスに対する制限措置の影響を受けた。
昨年は旅行業界に携わる560万人の直接・間接雇用が喪失した。旅行の減少に伴い、経済効果は全体で1兆5000億ドルに押し下げられた。19年は2兆6000億ドル。旅行に伴う米国の20年の税収は570億ドル減少した。
同協会のダウ会長兼最高経営責任者(CEO)は「ワクチンが徐々に普及し、転換に向けた兆しが見られるとの期待はある一方、いつ旅行需要が完全に回復するのかは、いまだにはっきりしない」と指摘した。
米国では数百万人がワクチンを接種し観光地も営業を再開していることから、業界は今春の需要回復に楽観的だ。ウォルト・ディズニーは17日、米西部カリフォルニア州のディズニーランドの営業を来月30日に再開すると発表した。
米国における20年の航空機搭乗者は60.1%減の全体で3億6800万人で、1984年以来の低水準に沈んだ。19年は9億2260万人だった。
在宅勤務の普及で車両での長距離移動も大幅に減少し、車両での走行距離は前年比4302億マイル(13%)減の2兆8300億マイルと01年以来の低水準となった。