[シカゴ 5日 ロイター] - 米ファイザーの経口抗ウイルス薬「パクスロビド」服用で新型コロナウイルス感染の後遺症が和らいだとする新たな症例が米国で報告された。研究者らは、コロナ後遺症に対する有効性を調べる臨床試験が必要だとしている。
パクスロビドは現在、高リスク患者に発症後早い段階で使用することが認められている。
米カリフォルニア大学の研究者は今週公表された査読前論文で、後遺症を発症した患者3人の事例研究を紹介。このうち2人は「パクスロビドを入手でき、後遺症の症状が大幅に改善したと感じている」とした。
3人目の患者は急性感染症の治療で同薬を処方され、当初症状が改善したものの、服用をやめた直後に再び悪化し、後に後遺症を発症した。
論文を執筆した研究者は、これらの事例は系統的な研究を早期に行う必要性を示していると述べた。
ファイザーの広報担当は、コロナ後遺症の臨床試験は現在実施していないが、実際の症例データなどを注視しており、より踏み込んだ研究を行う可能性もあるとした。