[ロンドン 2日 ロイター] - 国際獣疫事務局(OIE、別名世界動物保健機関)の野生動物作業部会事務局長を務めるウィリアム・カレシュ氏は2日、サル痘などのウイルス性感染症が医療廃棄物を通じて動物に感染していく可能性について専門家が懸念していると明かした。
現在、サル痘は主に欧州を中心に感染者が増加しているが、なぜ感染者にアフリカ渡航歴がないのに本来アフリカの風土病であるサル痘と関係するのか、科学者は困惑している。こうした中で浮上しているのは、ウイルスがいったんアフリカ以外に広がった後、再び動物に伝播してそれが他の地域で風土病化する可能性だ。
カレシュ氏は、新型コロナウイルスの事例に目を向けると、使い捨て医療用品の廃棄物が問題の一つになると指摘。地方都市などでは医療用品廃棄物が処分されるまで屋外に回収ごみとして置かれている間に、ネズミやリスなどのげっ歯類動物が持ち去っていく心配があるとした。