[ロンドン 24日 ロイター] - 英系の世界的な資産運用大手ジャナス・ヘンダーソンが24日発表した世界配当報告書によると、今年4─6月の配当支払い総額は5448億ドルで、前年同期比で11.3%増え、コロナ禍前水準を上回って四半期として過去最多だった。石油・天然ガス企業が配当の伸びの5分の2以上を占めた。こうした企業の収益が昨年、コロナ禍からの経済回復とあいまっていかに好調だったかや、今年の利益見通しも維持されている状況を物語る。
銀行業もコロナ禍での当局による配当制限が解けたことで配当払いを増やした。自動車メーカーなどの消費者向け企業も増加させた。
通年は全体で前年比5.8%増の1兆5600億ドルを記録すると予測されている。
今年はインフレ高進に加えて世界的に景気後退懸念が広がり、多くの家計が生計費負担の危機に陥っていることと合わせると、対照的な動きだ。石油・天然ガス企業への超過利潤課税を求める声が強まる可能性もある。
ジャナス幹部は「一部の分析で予想されていたより企業の配当復活がずっと早かったのは、利益がそれだけ改善したからだ」と指摘した。
4ー6月の企業別ではブラジルの国営石油ペトロブラスの配当が最大で、コロンビアの石油会社の配当も目立った。地域別ではコモディティー価格高騰の恩恵を受けやすい新興市場国が記録を更新して2015年以来のトップになった。配当額は22.5%増加。国別では英企業の配当払いが29.3%と急増した。