[北京 25日 ロイター] - 中国の10─12月期国内総生産(GDP)が早くも減速の兆候を見せている。全国の新型コロナウイルス新規感染は減少傾向。それもかかわらず感染防止の厳しい制限措置が続いたり再導入されたりしており、あるいは突然の制限で足止めされる懸念が強いため、旅行や輸送にブレーキがかかって消費や商業活動を抑制している。
ノムラのリサーチノートが引用した中国の検索大手百度(バイドゥ)追跡のGPSデータによると、10月23日の人々の移動が前年同日比で29.5%減少し、前週の27.5%減から悪化した。
ロイターが航空コンサルタント会社バリフライトのデータから計算したところ、飛ぶはずだった航空便のキャンセル率は10月18-24日で68.33%と、前週の67.14%から上がった。
中国の港湾業界団体のデータによると、主要8港湾の貨物取り扱いは1─10日に7.3%減少。9月下旬は4.4%増加していた。
ノムラによると、道路運送量の指標は21日に前年比で26.2%落ち込み、1週間前の23.7%減少から悪化した。
国内有数の輸送拠点や製造拠点を抱える広東省広州市や河南省鄭州、陝西省西安市は10月中旬ごろから感染者の増加を報告。一部で住民の外出禁止や飲食店や映画館や劇場などの営業制限、学校や大学などの休校やオンライン授業移行措置が取られた。鄭州市では11-15日の地下鉄乗客数が79%急減したという。
中国は24日、7─9月期GDPが市場予想を上回る前年同期比3.9%増だったと発表したばかり。しかし、同四半期の成長寄与では財やサービスの家計消費が半分以上だった。既に9月の財輸入や小売売上高の統計は弱く、内需減退を示す内容になっていた。