[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米金融・債券市場は、30年債利回りが過去最低を記録し、10年債利回りも3年ぶりの水準に低下した。世界的な貿易摩擦や景気減速懸念が根強い。
30年債利回り (US30YT=RR)が一時、1.916%と過去最低を更新、直近では1.981%。前日は2.027%だった。
10年債利回り (US10YT=RR)も1.475%まで下がり、2016年7月初めに記録した過去最低の1.321%に近づく場面があった。
2年債利回り (US2YT=RR)も一時、約2年ぶり水準となる1.467%まで低下した。直近で1.487%、前日は1.577%。
長短金利逆転から一夜明け、この日は金利差がやや拡大した。
米商務省が発表した7月の小売売上高は前月比0.7%増と、市場予想の0.3%を上回る伸びとなった。統計を受け、利回りは低水準から若干上向いた。
午後中盤になって国債利回りは一段と低下した。一部アナリストによると、連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が公の場に当局者が姿を見せることを禁じ、インタビューや各種会議への出席予定もキャンセルされたとザ・スペクテイターが報道し、材料視されたという。
DRWトレーディングの市場ストラテジストは、報道について「FRBによるサプライズ的な動きを控えた当局者発言の自粛期間(ブラックアウト)とも解釈できる」と述べた。FRBは9月17─18日に次回の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。
CIBCプライベート・ウェルス・マネジメントの債券部門責任者は「利回りの下限が見えたとは考えていない」と分析。次回FOMCでFRBの反応が見られる公算が大きく、どの程度積極的な姿勢を取るかによって一部債券の利回りがさらに低下する材料となる可能性を指摘した。