[13日 ロイター] - 米金融大手シティグループ (N:C)が13日発表した第3・四半期決算は、利益が市場予想を上回った。世界金融市場の乱高下を背景にトレーディング収入が急増し、低金利の影響を相殺した。
普通株主帰属の純利益は1株当たり1.40ドルと、アナリスト予想の0.93ドルを上回った。
米化粧品大手レブロン (N:REV)債権者への資金誤送金に絡む4億ドルの罰金の影響を除けば、中核営業利益は1株当たり1.55ドルになっていたと、オッペンハイマーのアナリストは指摘した。
収入は7%減の173億ドル。今年初の減収となった。
しかし、債券トレーディング収入は18%、株式トレーディング収入は15%それぞれ拡大した。
コンシューマーバンキング部門(個人向け銀行)の成長のけん引役とされる北米ブランドクレジットカード事業の収入は12%減少した。
貸倒引当金については、新たに3億1400万ドルを積み増した。
<CEOに厳しい批判>
決算会見では、退任が決まっているマイク・コルバット最高経営責任者(CEO)に、アナリストが厳しい批判を浴びせた。
アナリストは、同行で長年問題となっている技術上・オペレーション上の課題に経営陣がどのように対応しているのか、説明を要求。こうした問題がレブロン債権者への9億ドルの誤送金につながったとみられており、CEOの報酬を疑問視する声や、なぜ直ちに辞任しないのかとの声が上がった。[nL4N2FL0UX]
レブロン債権者の誤送金を巡っては、返還を求める訴訟の費用が膨らんでおり、規制当局からも4億ドルの罰金を命じられた。
シティは9月、コルバットCEOが予想より早い来年2月に退任すると発表。後任にはジェーン・フレーザー社長が就任する。[nL4N2G73D9]
決算会見では、米銀大手ウェルズ・ファーゴのアナリスト、マイク・メイヨー氏が「危機感はあるのか。今、辞任したらどうか」とコルバット氏を追及。
コルバット氏は、連邦準備理事会(FRB)や通貨監督庁(OCC)から指摘を受けた問題への対応を説明し、自身のCEO就任以降、シティが前進していると反論した。
マーク・メイソン最高財務責任者(CFO)は、業務見直しの最終的なコストはどの程度になるかとの質問に、今年は10億ドルを投じるが、それ以上の「数字を正確に示すことは難しい」と答えた。
この日のシティ株は、5%安で取引を終了。年初からの下落率は45%を超えた。
第3・四半期決算は34%の減益。純利益は32億ドルだった。トレーディング収入が16%増加し、コンシューマー部門の低迷を補った。
メイソンCFOは「雇用と国内総生産(GDP)の回復は2022年までやや抑制され、ペースが鈍いと予想している」と述べた。
フレーザー次期CEOは、リスク管理と内部統制の見直しを優先課題とする方針を示している。
*内容を追加して再送します。