[ベルリン 16日 ロイター] - ドイツ欧州経済センター(ZEW)が発表した3月の景気期待指数は76.6で、2月の71.2から上昇した。ロイターがまとめた予想の74.0を上回った。
現況指数はマイナス61.0。2月のマイナス67.2から改善した。予想はマイナス62.0だった。
ZEWの指数は、3月8-15日にアナリスト189人に実施した調査を基に算出した。
ドイツは15日、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンの使用を中断すると発表した。血栓症などの事例が報告されていることを受けた措置。
ZEWのワムバッハ所長は声明で「経済の楽観的見方の高まりが続いている。専門家はドイツ経済のすそ野の広い回復を予想しており、秋までに少なくとも人口の70%が接種を受けると見込んでいる。ただ大多数がインフレの加速や長期金利上昇も予想している」と述べた。
VPバンクグループのエコノミスト、トーマス・ギッツェル氏は、アストラゼネカのワクチン接種中断を調査は織り込んでいないと指摘。鈍い欧州のワクチン接種の動きに新たな阻害要因が加わったとし、「制御機能が弱まるなか欧州は流行第3波を迎えている」と述べた。
その上で、コロナ対策の規制緩和は近く撤回されるリスクがあり、景気回復の遅れにつながるとの見方を示した。