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トルコリラ乱高下、大統領の新対策の実現性や効果に疑問の声

発行済 2021-12-21 19:09
更新済 2021-12-22 15:01
© Reuters. 12月21日のトルコリラは不安定な動き。エルドアン大統領のリラ安対策発表を受けて一時15%上昇するものの、押し戻されている。写真はリラ紙幣。2017年10月撮影(2021

[アンカラ 21日 ロイター] - 21日のトルコリラは、エルドアン大統領と中銀のリラ安対策を消化する中、不安定な値動きとなった。

リラは一時、8.6%下落する一方、最大18.5%急伸し、変動幅は過去最大だった前日に次いで2番目の大きさを記録した。終値は6%高の1ドル=12.4リラ。

リラの1カ月物インプライド・ボラティリティーは対策を巡る不透明感を反映し、過去最高水準に上昇した。

トルコ中央銀行は21日、外貨建て預金からリラ建て預金への転換を支援することを決めたと発表した。

中銀のデータによると、長年にわたるリラ安を受けた信頼感の欠如により、国民の貯蓄の半分以上は外貨と金で構成されている。

エルドアン大統領は20日、リラ安による国民の負担軽減措置を発表した。

この発表を受け20日にはリラは一時約25%急騰した。

トルコ銀行協会(TBB)のAlpaslan Cakar会長は、大統領の発表後、市場で約10億ドルが売却されたとし、一連の措置のコストに財務省が対応するとの見方を示した。

ただ、アナリストらはリラの上昇が反転した場合、すでに高水準のインフレがさらに上昇し、財政赤字拡大につながる可能性があると警告している。

IHSマークイットによると、期間5年のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は604ベーシスポイント(bp)となった。20日は622bpと2020年5月以来の高水準だった。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのグローバルストラテジスト、ゲイリー・シュロスバーグ氏は「市場は対策の詳細を待っているかもしれない」と指摘。

「当面の市場安定化につながるという見方もあるが、基礎的な背景が弱いとみられ、この措置だけでどれだけの期間、市場を支援できるかは分からない」と語った。

ビルケント大学(アンカラ)経済学部長のRefet Gurkaynak氏は「危険な結果をもたらす可能性がある」と述べた。

OANDAのアジア太平洋シニアマーケットアナリストのジェフリー・ハレー氏は、前日にリラは発表を受けて急伸したが、政府が新たな措置をどのように実施するかは依然不透明だと指摘した。

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