執筆:Gina Lee
Investing.com – 中国において製造活動が回復し、価格上昇圧力が落ち着いたことを背景に、12月の製造業活動は予想よりも活発だった。しかし、軟調な労働市場や企業信頼感指数は市場の重しとなっている。
朝方発表された Caixin工業購買担当者景気指数(PMI)は50.9だったと、2021年6月以来の高水準を記録し、経済成長を示唆する50を上回った。Investing.comが行った予想では11月の49.9に対して、50台を予想していた。
国家統計局が先週公表したデータによると、12月に製造業PMIは50.3で、前月の50.1から改善を示した。
中国政府は物価の安定化と供給の回復に努めたことで、原材料の価格上昇を抑えることに成功し、活発な製造業の活動に寄与した。
しかし、Caixinによる調査では、輸出受注と就労状況は2021年2月以来の低水準に留まったとしている。
Caixin Insight Groupのシニア・エコノミストであるWang Zhe氏はロイターの取材に対して、「供給が堅固な中で、需要が回復した。供給不足が改善していったことで、2ヶ月連続かつ速いペースで出荷高は拡大した。しかし、労働市場には依然として逆風が強く、事業環境も楽観的とはいかない。不安定な経済回復となることを示唆している。コロナ禍の燻りおよび軟調な海外需要は不安定感をもたらす主要因である」と語った。
また、「政策決定者は雇用の回復と中小企業支援に注力するべきである」と付け加えた。
2020年に堅固なスタートをきったものの、製造業の成長スピードの鈍化、不動産セクターにおける債務問題、コロナ禍の発生を受けて、中国の経済回復は減速した。
経済に対して逆風が吹いている中においても、中国人民銀行は2022年も柔軟な金融政策を続け、安定した経済成長および法人に対する資金調達コストの低下に努めると語った。
コロナ禍は中国の広範な都市において脅威となっている。浙江省の東海岸では2021年12月に小規模ながらコロナ禍が発生し、今は沈静化したものの、当時いくつかの企業で生産活動の延期を強いられた。西安北西部の都市では、コロナ禍を受けて、2021年12月22日からロックダウンが続いている。