[東京 14日 ロイター] - 日銀が14日発表した12月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年同月比プラス8.5%となった。上昇率は過去最高だった前月の9.2%から縮小したものの、過去2番目の伸び率となっている。国際商品市況の影響などを受けて価格上昇の裾野も広がってきた。
国内企業物価指数が前年比で上昇したのは10カ月連続。国際商品市況が足元の国内企業物価に大きく影響を与える姿は変わっていない。石油・石炭製品が前年比36.6%上昇し、最も押し上げ方向に寄与したほか、非鉄金属が同26.9%、鉄鋼が同25.5%、化学製品が同13.5%それぞれ上昇した。
一方、前月比はマイナス0.2%。13カ月ぶりに下落したが、全744品目中、前年比で上昇した品目の割合が65%を超えるなど価格上昇のすそ野には広がりがみられた。
大和証券の末広徹シニアエコノミストは「今後はベース効果で前年同月比のプラス幅が縮小しやすいこともあり、インフレがピークアウトするという見方も増えると考えられるが、川下企業や家計を中心にコスト増の影響は残る」と指摘した。
2021年暦年の国内企業物価指数はプラス4.8%と、1981年以降で最大の伸び率だった。上昇に最も寄与したのは石油・石炭製品で、前年比プラス27.8%と大幅に伸びた。このほか非鉄金属や鉄鋼の価格上昇も押し上げの主な要因となった。日銀の担当者は「感染拡大と収束の波を繰り返しながら、基調としては世界経済が回復した年だったことを企業物価の面からも示している」と述べた。
*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release
(杉山健太郎)