[ワシントン 14日 ロイター] - 米商務省が14日発表した昨年11月の企業在庫は前月より1.3%増加した。米国企業の在庫積み増しペースは堅調に推移しており、自動車在庫は当初予想よりやや回復した。世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱は最悪期を脱した可能性があることを示唆した。
企業在庫は国内総生産(GDP)の重要な構成要素となっている。11月の増加幅は市場予想の範囲内だった。
11月の企業在庫は前年同月比で8.7%伸びた。
先月発表されていた推計値の通り、11月の小売在庫は前月より2.0%増えた。10月は0.3%増だった。
11月の自動車在庫は4.2%増だった。この大きな伸びは、自動車生産を制約してきた世界的な半導体不足が解消されつつあることを示唆している。
先週発表された米供給管理協会(ISM)の調査によると、12月には供給業者の工場納入が改善された。しかし、オミクロン変異株によって新型コロナウイルス感染者数が世界的に急増しているため、供給網混乱の解消が遅れることが懸念されている。
国内総生産(GDP)の算出に使われる自動車を除く小売在庫は、先月の推計値の通り1.3%増加した。
昨年第3・四半期のGDP成長率2.3%の増加ペースの大半は、この期間に在庫減少ペースが減速したことが寄与した。在庫は2021年のほぼ全期間に大幅に減少し、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)に関連した不足により、在庫補充がより困難になっている。在庫補充によって製造業は活況を示し、経済全体を支えている。
11月の卸売在庫は前月比1.4%増、製造業在庫は0.7%増えた。
企業売上高は0.7%増。10月は2.2%伸びていた。11月の販売ペースに基づく在庫解消に必要な期間は1.25カ月となり、10月の1.24カ月から延びた。