[ロンドン 11日 ロイター] - 英国立経済社会研究所(NIESR)は11日、国内総生産(GDP)成長率が第3・四半期にマイナス0.2%、第4・四半期にマイナス0.4%になるとの予測を発表した。2四半期連続のマイナス成長はテクニカルな狭義では景気後退を意味する。
食品とエネルギーの支出が住宅コストを除いたベースで可処分所得をまもなく上回るようになる家計は約150万世帯とし、英国全体の約5%に上ると推計した。
ロシアのウクライナ侵攻が今年の世界全体の総生産に及ぼす打撃は1兆5000億ドルと、オーストラリアの経済規模にほぼ匹敵すると推定。これが世界経済を1.1%下押しするとの見通しを示した。
今年の英国の成長率予想はプラス4.8%からプラス3.5%に、来年はプラス1.3%からプラス0.8%に下方修正した。
英国の成長率予測ではイングランド銀行(中央銀行)が先週、今年第4・四半期に最大1.0%縮小し、来年全体で0.25%縮小との見通しを発表したが、2四半期連続のマイナス成長には言及していない。
消費者物価上昇率については、NIESRは8.3%でピークになると予想し、中銀の10%超よりは控えめにした。中銀ほどエネルギー価格上昇を大きく見込んでいないほか、生産減少と失業増加でインフレ抑制が強まるとの見方をしている。