[ソウル 21日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は21日、韓国で銀行危機が起きる可能性は極めて低く、世界規模の危機が発生しても資本逃避が突然起きる公算は小さいとの見方を示した。
中銀は年2回発表する金融安定報告で「金融システムの潜在リスク調査によると、国内の金融機関がシリコンバレー銀行やクレディ・スイスに類似した状況に陥る可能性は低い。そうした事態になっても対応できる準備がある」とし、銀行以外の金融機関の充分な流動性やオンライン融資機関の豊富な流動資産、債券償却への厳しい規制を指摘した。
さらに、過去の金融危機時と異なり、世界的な銀行の混乱下でも国内市場の資本フロー依然安定しているとし、外的な健全性と信認を要因として挙げた。
国内不動産市場は全般に金融安定リスクが制御可能なレベルと分析。デフォルト(債務不履行)は限定的で金融機関は耐性を維持しているとした。
そのうえで、高金利と低成長への懸念が続いており、住宅価格が短期間に急落する事態に備える必要があると指摘したの見方を示した。