[ロンドン 23日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が23日発表した5月の小売売上高(数量ベース)は前月比0.3%増と、市場予想に反して増加した。インフレ率の急上昇にも関わらず、家計が購入を増やしていることが確認された。
ロイター調査では0.2%の減少が見込まれていた。4月は前月比0.5%増加していた。
前年同月比では2.1%減少した。市場予想は2.6%減だった。
統計局の担当者は「小売売上高は5月にやや増加した。気温の上昇に伴い、アウトドア製品や夏向け衣料などのネット販売が特に好調だった」と説明。
「4月に減少した燃料販売も5月は増加に転じた」とも述べた。
ただ食品は前月比0.5%減少した。スーパーマーケットの食料品価格が引き続き上昇したことが響いた。チャールズ国王の戴冠に伴う祝日などに、テイクアウトの注文や外食が増えたことも一因。
キャピタル・エコノミクスの英国副チーフエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は、5月の数字は予想よりかなり良かったと指摘したが、利上げの影響が強まり、いずれ景気後退に陥るとの見方を維持した。
パンテオン・マクロエコノミクスのサミュエル・トゥームス氏は、住宅ローン返済負担の増大が経済全体に悪影響を及ぼしているが、高騰していたエネルギー価格の低下の恩恵がそれ以上に大きく、消費者主導の景気悪化は回避されるだろうと述べた。