[イスタンブール 5日 ロイター] - トルコ統計局が5日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前月比3.92%上昇した。1月以来の大幅上昇となった。エルドアン大統領の再選を受けてリラ安が進んだことが背景。
ロイターがまとめた市場予想の4.84%上昇は下回った。
前月比の内訳では、アルコール飲料・たばこが11.13%上昇、輸送が7.96%上昇。
6月のCPIは前年比では38.21%上昇。前月の39.59%上昇から鈍化した。ベース効果が一因。市場予想は39.47%上昇だった。
前年比の内訳では、外食・ホテルが67.22%上昇、医療が65.69%上昇、食品・非アルコール飲料が53.92%上昇。
CPI上昇率は昨年10月に24年ぶりの高水準となる前年比85.51%を記録して以降、鈍化している。
リラは今年約30%下落。6月だけで20%以上値下がりした。エルドアン大統領は5月下旬の大統領選で再選を決め、利上げなどオーソドックスな経済政策への転換を示唆している。
アナリストは、リラ安の波及効果や7月1日付の最低賃金引き上げにより、今後数カ月でインフレがさらに進行すると予想。
ゴールドマン・サックスは「選挙後に政策が引き締められているが、一段の通貨安でコアインフレ率が今後悪化する可能性が高い」と述べた。
6月の生産者物価指数(PPI)は前月比6.50%上昇、前年比40.42%上昇。