[東京 10日 ロイター] - 内閣府が10日に発表した6月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIは53.6と、前月から1.4ポイント低下した。DIは5カ月ぶりに低下したものの、引き続き人流回復が実体経済の支えとなっている。景気判断の表現は前回の「緩やかに回復している」で据え置いた。
これまで経済正常化への期待が人々の景況感改善をけん引してきたが、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行し、期待のモメンタムがいったん鈍化したもよう。ただ、現状判断はDIは50を上回って推移しており、経済の方向感は上向きを維持している。
構成項目では3分野すべてが低下した。家計動向関連DIは1.3ポイント低下の53.6、企業動向関連DIが1.0ポイント低下の53.3、雇用動向関連DIが3.0ポイント低下の54.1だった。
調査先からは「来客数の伸長が鈍化している。天候の影響もあるが、前年同期と比べると来客数がマイ
ナスとなっている日もあり、脱コロナの影響も薄れつつある」(中国=コンビニ)といった声が聞かれた。
2─3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは、前月から1.6ポイント低下し52.8となった。2カ月連続の低下。
調査先からは「物価高は続くと思うが、少しずつそれが当たり前の状態になりつつある」(九州=家電量販店)との指摘や、「景気が今以上に良くなることはないが、しばらく現状が維持されると予想している」(九州=商店街)との見方があった。
内閣府は先行きについて「5類感染症への移行も終わり、改善テンポに一服感がみられるものの、緩やかな回復が続くとみている」とまとめた。
調査期間は6月25日から30日。
*内閣府の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
(杉山健太郎)