[18日 ロイター] - JPモルガン、シティグループ、野村は18日、2023年の中国の国内総生産(GDP)伸び率予想を上方修正した。さらなる景気刺激策が必要とも指摘した。
中国国家統計局が同日発表した第3・四半期GDPは前年同期比4.9%増加した。伸び率は第2・四半期の6.3%から鈍化したものの、市場予想の4.4%を上回った。
シティは23年の成長率予想を5.3%とし、従来見通しの5%から引き上げた。
JPモルガンは5%から5.2%に、野村は4.8%から5.1%にそれぞれ上方修正した。
ゴールドマン・サックスは5.4%から5.3%に引き下げたが、中国政府の目標である5%前後を上回っている。
JPモルガンのエコノミストは「8月に続き、9月の経済活動統計も予想より強い内容だった。明るいニュースだ」とした上で、回復の勢いは向こう数カ月続くとの見方を示した。
「政策が後押しするセクターは引き続き力強い。輸出数量はプラス成長に戻った。小売売上高の回復には特に心強い」とした。
<追加刺激策が必要>
一方、民間投資や住宅市場など弱い分野も残ると指摘した。名目GDPの伸びが弱いことは、収益と利益の見通しが引き続き民間投資の回復に障害となることを示唆していると分析した。
モルガン・スタンレーのエコノミストは「債務デフレループを断固として回避する」ために景気刺激策と改革を強化する必要があるとの見方を示した。
同社のエコノミスト、ジェニー・ジェン氏は5%の成長目標は達成可能とみられるため、来年に向けて政策余地を残す可能性があると述べた。
モルガン・スタンレーは12月の中国中央経済工作会議が政策に関する次の焦点になるとした。
JPモルガンは中国の潜在成長率が24年と25年に当初の予測よりも早く低下し、24年は4─4.5%、25年は3.5─4%になると予想した。