Markus Wacket
[ベルリン 20日 ロイター] - ドイツのハーベック経済相は20日、財政赤字を抑制する同国の債務ブレーキ制度が「柔軟性に欠ける」とし、リントナー財務相の補助金削減に関する発言を批判した。
連立政権内の亀裂が浮き彫りになった形。憲法裁判所は先週、新型コロナウイルス対策向けの未使用金600億ユーロをグリーン事業や産業支援に振り向けることを認めない判決を下しており、連立政権は代替財源を確保を急いでいる。
ハーベック氏は歳出を重視する緑の党に所属。憲法裁の判決により、グリーン経済への移行や雇用の維持を支える政府の能力が大幅に損なわれる恐れがあると警告している。
これに対し、財政規律を重視する自由民主党(FDP)所属のリントナー氏は増税や歳出ルールの緩和に反対。従来より少ない補助金でより多くのことを成し遂げる必要があると主張している。
ハーベック氏はリントナー氏の主張について「理屈だけの話だ。現実は違う」と主張。債務ブレーキ制度の廃止を提案するつもりはないが「柔軟性に欠けている」とし、国内経済が成長しておらず、高インフレやエネルギー高騰といった課題があると指摘した。