[シドニー 28日 ロイター] - オーストラリア統計局が28日発表した10月の小売売上高は予想外に減少した。消費者が食品以外の買い物を控えたことが背景。ただ、アナリストは11月のブラックフライデーセールを前にした買い控えだったとみている。
小売売上高は名目ベースで前月比0.2%減の357億7000万豪ドル。アナリスト予想は0.1%増、9月は0.9%増だった。
前年比では1.2%増加した。
統計局の小売統計責任者、ベン・ドーバー氏は「消費者は11月のブラックフライデーセールでの値引きを待って、裁量的支出を控えたようだ」と指摘。このパターンはブラックフライデーセールの人気が高まるにつれ、近年見られるようになっていると話した。
ANZの調査によると、ブラックフライデーを前に消費者の大型家財道具購入意欲が2月第1週以来の高水準となった。
また、電子商取引企業ショッピファイによると、今年のブラックフライデーセールでの販売時点情報管理(POS)データに基づく豪売上高は前年比27%増加した。
キャピタル・エコノミクスのアジア太平洋部門責任者、マルセル・ティエリアント氏は「売上高は11月に力強く回復する可能性が高く、12月に再び落ち込んだとしても、第4・四半期ではおそらく増加するだろう」と述べた。
小売統計を受けた市場の反応は鈍かった。市場ではオーストラリア準備銀行(中央銀行)が来月に金利を据え置くと引き続き予想されているが、来年初めの利上げ確率は60%織り込まれている。