Takaya Yamaguchi
[東京 20日 ロイター] - 財務省が20日発表した貿易統計速報によると、11月の貿易収支は7769億円の赤字となった。ロイターがまとめた民間調査機関17社の予想中央値は9624億円の赤字で、公表された赤字幅は予想を下回った。赤字は2カ月連続。
貿易統計のうち、輸出は前年同月比0.2%減の8兆8196億円だった。自動車や半導体電子部品がプラスに寄与する一方、鉄鋼や半導体製造装置などの伸びが減少した。輸出は3カ月ぶりにマイナスに転じた。
地域別では、米国向けの輸出額が前年同月を上回ったのに対し、アジア、中国向けは引き続きマイナスだった。
欧州連合(EU)向けも前年同月比0.0%減の8614億円と、33カ月ぶりのマイナスに転じた。「欧州の生産活動が縮小している現状を反映し、一般機械関連の落ち込みが大きい。欧州中央銀行(ECB)の利上げの影響が及んでいる可能性がある」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との見方が出ている。
輸入は、前年同月比11.9%減の9兆5965億円で、8カ月連続の減少となった。石炭や液化天然ガスなどが引き続きマイナス寄与だった。