Takahiko Wada
[東京 20日 ロイター] - 日銀が20日に発表した7―9月期の資金循環統計によると、9月末の国庫短期証券を除く国債・財投債の日銀の保有比率は53.86%となった。6月末の53.24%を上回り、過去最高を更新した。日銀はイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の下で大規模な国債買い入れを継続しており、保有比率が50%を上回る状況が続いている。
国庫短期証券を含むベースでは、日銀の保有が前年比5.8%増の576兆円となり、残高に占める比率は47.7%に上昇。一方、海外の保有は8.6%減の165兆円で、残高に占める比率は13.7%に低下した。海外の保有残高が前年比マイナスとなるのは2014年3月以来で、減少幅としては10年3月以来の大きさ。金利の上昇で売却が進んだとみられる。
<家計の金融資産、株高・円安で最高更新>
家計が保有する金融資産残高は前年比5.0%増の2121兆円で、05年3月以降の最高を更新した。株高・円安が押し上げにつながった。
内訳で株式等は30.4%増の273兆円、投資信託は17.4%増の101兆円でともに残高が過去最高。保険・年金・定型保証は0.4%増の539兆円で、こちらも過去最高となった。円安で外貨建て保険が伸びた。
企業の金融資産残高も9.5%増の1449兆円で過去最高を更新した。対外直接投資が13.0%増の231兆円で過去最高。M&A(企業の合併・買収)の増加とともに、円安が残高を押し上げた。
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(和田崇彦)