Belén Carreño
[マドリード 27日 ロイター] - スペイン政府は27日、生計費高騰に対応して導入された多くの経済対策を来年も続けることを決めた。インフレ率は低下しているが、家計への支援を継続する。
年金は、過去1年間の平均インフレ率に合わせて3.8%増額する。未成年者と若者に提供してきた公共交通料金への補助は全ての定期利用者に広げ、生鮮食品やパスタなどの生活必需品を対象とした付加価値税(VAT)軽減措置は延長する。
都市間バス料金への補助も継続する。
物議をかもしたエネルギー企業の「超過利潤税」については、企業が再生可能エネルギー・プロジェクトに投資すれば軽減されるなどの調整を加えた。この税は今年、約30億ユーロの税収をもたらしている。
銀行に対する同様の課税は据え置く。
一方、今年いっぱい5%に引き下げていたエネルギー料金のVAT税率は、徐々に元の21%に戻す。電力料金のVAT税率も10%に引き上げる。
サンチェス首相は記者会見で、今回の対策によって「過去5年間に達成した前進が確固としたものになるだろう」と発言。今年の国内総生産(GDP)成長率は約2.5%になるとの見通しを示した。
新型コロナウイルスのパンデミックの余波や、ウクライナ戦争に起因するエネルギー価格高騰により、スペインのインフレ率は2022年に8.4%に達したが、今年6月には1.9%と、2021年4月以来の低水準に落ち着いた。