Steven Scheer Ari Rabinovitch
[エルサレム 4日 ロイター] - イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザから予備役を一部撤収させる中、兵士の職場復帰がイスラエル経済にプラスの効果をもたらす見通しだ。
イスラム組織ハマスによる10月7日の攻撃以降、イスラエルではハイテク部門で働く人も含め30万人超の予備役が動員され、労働力不足や消費減退による景気への打撃が懸念されている。
紛争開始から約3カ月となり政府は戦闘が新たな段階に入ったことを示唆。軍はそれに応じ、まず予備役を少なくとも当面帰還させることで部隊を調整している。
イスラエル中央銀行によると、紛争前の段階で同国の23年成長率は3.4%、24年は3%と見込まれていた。現在では23年第4・四半期はマイナス成長となる見込みで、中銀は今年と来年の成長率を2%と予想する。
アビル中銀副総裁は予備役の招集解除について、経済活動の半分以上を占める個人消費に恩恵をもたらすと述べた。
また、10月から1人で育児などをしていた人も配偶者が戻れば完全に仕事に復帰できると指摘。雇用の12%、輸出の半分以上、経済生産全体のほぼ2割を占めるハイテク部門にとって朗報だとした。
さらに、クレジットカード支出が紛争前の水準に戻ったとし、「経済が再び機能している兆候だ」と述べた。
海外からの投資は減速しつつも枯渇はしていない。先週発表のデータによると、スタートアップ企業は23年第4・四半期に75の案件で計15億ドルを調達した。23年通年の調達額は70億ドル。前年は160億ドルだった。