[シドニー 9日 ロイター] - オーストラリア統計局が9日発表した2023年11月の小売売上高は、ブラックフライデーのセールが寄与して前月比で2年ぶりの高い伸びとなった。ただ、アナリストの間では12月は反転すると予想されている。
11月の売上高は季節調整済み前月比2.0%増の365億1000万豪ドル(245億4000万米ドル)。10月(改定値)の0.4%減からプラスに転じ、市場予想の1.2%増を上回った。
前年比では2.2%増加。高金利や生活費高騰が家計所得を圧迫する中、新型コロナウイルス禍後の22年半ばに見られた前年比19%の伸びと比べれば低調な数字となった。
統計局のビジネス統計責任者、ロバート・ユーイング氏は「ブラックフライデーのセールは今年も大盛況で、小売り各社は例年より早期にセールを開始し、実施期間も長かった」と指摘した。
また「(売上高の)力強い増加は消費者が10月に裁量支出を控えたことを示唆している。通常12月に行うクリスマス支出を前倒しした可能性もある」と述べた。
11月は裁量消費財が売上高を主導し、家庭用品が7.5%増と前月の1%減からプラスに転じた。百貨店や衣料品・履物の売上高もそれぞれ4.2%増、2.7%増だった。