[9日 ロイター] - 独連邦統計庁が9日発表した11月の鉱工業生産指数は前月比0.7%低下した。低下は6カ月連続。市場予想は0.2%上昇だった。
10月は0.4%低下から0.3%低下に修正された。
月単位の変動をならした3カ月間で見ると9─11月は前の3カ月に比べて1.9%低下した。
コメルツ銀行のチーフエコノミスト、イエルク・クレーマー氏は「予想外の低下だ。企業が受注減への対応を増やしていることを示している」と指摘した。
内訳では、資本財が前月比0.7%減、中間財が0.5%減、消費財が0.1%減。エネルギーが3.9%増、建設が2.9%減。
INGのマクロ部門グローバル責任者、カールステン・ブレゼスキ氏は、鉱工業生産は新型コロナウイルス流行前の水準を9%以上下回っていると指摘。短期的には楽観できる根拠がないと述べた。
同氏は「米経済はソフトランディングかハードランディング。中国経済にはまだ勢いが見られない。ドイツ鉱工業生産の外需は低迷が続くだろう」との見方を示した。
パンテオン・マクロエコノミクスの欧州担当シニアエコノミスト、メラニー・デボノ氏は「ドイツの鉱工業部門は第4・四半期もリセッションが続いた」と指摘。12月の鉱工業生産が横ばいだった場合、第4・四半期の鉱工業生産は1.7%前後の低下になるとの見方を示した。第3・四半期は2%低下だった。
VPバンクのチーフエコノミスト、トマス・ギツェル氏は、鉱工業部門と個人消費が経済成長に寄与しない場合、ドイツ経済は新たなリセッションに直面する可能性が高いとし「高インフレ、高金利、世界経済の同時低迷は、最終的にはリセッションにしかつながらない有害な組み合わせだ」と述べた。