Farah Master
[北京 17日 ロイター] - 中国国家統計局は17日、2023年末時点の総人口が14億0900万人となり、2年連続で減少したと発表した。前年末は14億1175万人だった。
出生率の低下と、新型コロナウイルスを封じ込めるゼロコロナ政策解除を受けたコロナ関連死の急増が背景にあり、人口減は中国経済の潜在成長力に長期的に深刻な影響を及ぼすとみられている。
23年の人口は208万人(0.15%)減少し、減少幅は22年の85万人を大きく上回った。
死亡者数は6.6%増の1110万人で、死亡率は文化大革命中だった1974年以来の高水準となった。
出生数は5.7%減の902万人で、1000人当たりの出生率は6.39と過去最低を記録。22年は6.77だった。
中国では1980年から2015年まで実施された「一人っ子政策」と急速な都市化の影響で出生数は減少を続けている。
22年の日本の出生率は1000人当たり6.3、韓国は4.9だった。
ミシガン大学の人口統計学者、ジョウ・ユン氏は「低い出生率となっている他の国々で観察されているように、出生率を反転上昇させるのは非常に難しい」と述べた。
国連の専門家は、中国の人口が50年までに1億0900万人減少すると予測。これは前回19年の予測に比べ3倍以上の減少となる。
中国の23年の60歳以上人口は2億9697万人となり、22年の2億8004万人から拡大し、総人口の約21.1%を占める。
23年の人口1000人当たりの死亡率は7.87で、22年の7.37を上回った。
60歳以上の定年退職者は現在約2億8000万人だが、35年には4億人超に増加する見通し。国営の中国科学院は、35年までに年金制度が資金不足に陥ると予想している。
一方、結婚は出生の先行指標となるため、婚姻件数が23年に上向いたことは来年の出生率にとって一定の安心材料かもしれない。