国連機関である国際労働機関（ILO）は、2024年の世界の失業率が2023年の5.0％から4.9％に低下すると予測した。ILOが1月に発表した予測では、先進国での失業率の上昇により、失業率は5.2%に上昇すると予想していたが、今回の見通し変更により、この予測は修正された。
見通しの変更は、今年初めに中国、インド、高所得国から発表された失業率が予想を下回ったことによる。このわずかな改善にもかかわらず、ILOは失業率の低下傾向は横ばいになり、2025年まで4.9%で安定すると予想している。
経済状況は当初の予測よりもいくぶん良好で、特に米国では2024年の早い時期に経済成長の回復力が見られた。この改善はインフレ率の低下と相まって、家計所得への負担を軽減している。
こうした動きを受けて、国際通貨基金（IMF）は4月、2024年の世界経済成長率見通しを3.2%に上方修正した。この修正は、米国経済のより楽観的な見通しを反映している。
ILOは、マクロ経済環境が現在安定していることが、労働市場の見通しが比較的安定していることに寄与していると指摘する。しかし、中期的な展望を見据えた場合、まだある程度の不確実性が残っている。ILOは、世界的に予想される金融・財政政策調整の遅行効果によって、世界の労働市場が影響を受ける可能性があると警告している。
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