[上海 6日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の高官は、開発中のデジタル通貨について、フェイスブックが導入する予定のデジタル通貨「リブラ」と一定の類似性があり、ウィーチャットペイやアリペイといった主要決済プラットフォームで使えるようになる、との見通しを示した。
上海証券報によると、人民銀行決済局次官の穆長春氏は、今週行った講義で、デジタル通貨の利用が拡大するなか、デジタル通貨を開発するのは「金融の統治権と法定通貨のステータスを守るため」と説明。
トークンは中銀が発行する紙幣と同じくらい安全と指摘した。テンセント (HK:0700)のウィーチャットペイやアリババ (N:BABA)のアリペイでも使用可能になるとした。
人民銀行は2014年に独自のデジタル通貨の開発部隊を立ち上げた。その後、状況は明らかになっていなかったが、前月に穆氏が、発行の「ほぼ用意が整った」と発言。米経済誌フォーブスは、関係筋の話として、早ければ11月11日に発行されると伝えた。
一部アナリストは、「リブラ」計画の発表を受け、中国当局がデジタル通貨計画を加速させたとみている。
穆氏は、中国のデジタル通貨は、決済の匿名性と、マネーロンダリング(資金洗浄)防止の双方に配慮したものになると説明。また、詳細には踏み込まず、設計上、「リブラ」と類似する点もいくつかあるが、「リブラ」のコピーではない、と述べた。 2019-09-06T082820Z_1_LYNXNPEF850QF_RTROPTP_1_FACEBOOK-CRYPTO.JPG