[シドニー 12日 ロイター] - ナショナル・オーストラリア銀行(NAB) (AX:NAB)が発表した4月の豪企業景況感指数はマイナス34となり、3月のマイナス22からさらに低下した。新型コロナウイルス感染抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)により、売上・利益・雇用が打撃を受けた。
企業景況感指数は長期平均のプラス6を大幅に下回り、金融危機時以上の悪化を示した。
一方、信頼感指数はマイナス46となり、3月のマイナス66から持ち直した。ただ、長期平均は大きく下回っている。
NABグループのチーフ・エコノミスト、アラン・オスター氏は「信頼感は上向いたが、安心はできない。マイナス幅は1990年代の景気後退局面と比べてもほぼ倍程度の水準にある」と指摘した。新型コロナウイルス感染拡大の影響が広範囲に及んだという。
中でも雇用指数は前月から15ポイント低下し、マイナス35となった。
「雇用指数の低下は、回答企業による人員削減を反映している。4月の失業率は大幅に上昇するだろう」(オスター氏)という。
オーストラリア連邦統計局は14日に4月の雇用統計を発表する。
就業者数は57万5000人減、失業率は3月の5.2%から8.3%に上昇するとみられている。