中国の実質国内総生産(GDP)は、2020年1~3月期に新型コロナウイルス危機で落ち込んだものの、4~6月期には投資と輸出に牽引(けんいん)されて早速コロナ前の水準に回復した。しかし、消費がコロナ前に復したのは1期遅れの7~9月期であり、21年1~3月期にGDP全体を上回る回復を遂げたものの、電気自動車(EV)向け補助金などの政策支援により一時的に押し上げられた可能性がある。感染状況に応じて厳格なロックダウン(都市封鎖)が散発的に実施されていることから、サービス消費については飲食を中心に依然持ち直しが遅れており、中国の消費は安定的に回復を遂げたとは言いがたい。